うみのうみ UMI NO UMI | |
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渦を巻くのは、タンポポの色に近い艶やかな絹糸。 八千本くらいある糸は、一本一本が垂れ下がっているので、空気の動きで常に動いています。 ドーム型に盛り上がったものを覆うのは自分で染めた羽毛です。 写真では強い黄色に写っていますが実際は黄緑に近く、ちょうど苔が萌え出るような芽吹きの色と形を持つように、何度も染め色を試しました。 床にもアルパカの毛を付けた弓状のものが置かれ、天井からは、モモタマナという沖縄の摩文仁の丘で拾ってきた植物の種に、膠で黒糸を付けたものが垂れ下がっています。 「うみのうみ」という題は、生命の母体となる海、それを生んだエネルギー・力をどうにか会場に引き込みたいという気持ちから名付けました。 しかし、制作中にフェリーから見た夜の海の底知れぬ力強さに圧倒され、呆然としたのを覚えています。 どのような人の中にもある、何かを生み出してゆくエネルギーの源泉は、幾重にも包まれた繭のようなもので、その中心は時代も空間も超えてつながっているのではないでしょうか。 |
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1995/3 さいたま・埼玉県立近代美術館一般展示室 羽毛によるドーム 直径450cm |
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