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くるくるみ 3

世界でここだけ・くるくるみ誕生



写真:スタンダードくるくるみ・信濃くるみ版




振動を伝えるのにある程度しなやかなで張りのある材質が適していることは想像できます。

では、一見そんな振動とか関係なさそうな、例えば硬くて丸いくるみに羽根を付けたって回るんじゃないか?それもくるみ同士を擦り合わせて回ったら愉快、愉快!

で、実行したら予想通り。但し、くるみ同士というのはちょっと難しく、一回転とかならともかく、気持ちいい連続回転は難しい。

結局のところ、金属だって、コンニャクだっていいんです。極端なことを言えば人の頭に羽根を着けたっていいんです。ただ人の場合は、うまく回ったときにその後の人生を無事に過ごせるか保証外ですので、遺書が必要かもしれません。周到に用意してください。

まずは工事現場で、圧搾空気のチッパーやブレーカーでコンクリートをバリバリとハツッている人のヘルメットに、後ろから羽根をそっと着けてみるのはどうでしょう。後は、お任せします。
Good luck !



そのモノに合わせ適度な振動を与えて、振動という波の力回転する力に変える。
変換には羽根と軸との摩擦がいい塩梅にかかわります。
そして、最終的にやはり摩擦によってに変わり、私やあなたの努力と喜び空の彼方へ消えてゆく・・・

回す基本くるくるとんぼと一緒です。適度(適当)な場所を適度(適当)に擦って回すだけです。

ここまで読んでくださった方に奥義を授けます。

肝心なのは「適当」なこと。「いい加減」なら最高!


適当に、ね。

実際に見ていただくとその適当さがある程度分かってもらえるのですが、そのうち動画をこのページにアップするかもしれません。

(あまり熱心だと地球温暖化と家庭崩壊の可能性があります。ご注意を。)




一枚目の写真だけかろうじて羽根が見えると思います。他は回っていて見えません。

回すコツ
は、くるみを持つ手はしっかり。持ち手の親指で擦る位置決めをし、擦る棒を親指のガイドに軽く沿わせるようにして、棒を持つ手で擦る強さと速さを決めます。

つまり、役割分担をすることで安定感と自由度を得るのです。

当然くるみには個性がありますので、全てそのくるみとの話し合いで場所や強さが異なります。やはり、くるくるとんぼより少し難しいです。

個人差がありますので保証できませんが、回らないと肩が凝ります。しかし回ると肩凝りが良くなります。

以前、お頒けした方で半日以上かかって夜中にようやく回ったという方がいました。その喜んだ顔がまぶたに焼き付いてます。



回せるまでの速さを競うだけならこんなものは作りません。また、出来た、出来なかったというだけだとしたら、やはりこんなものは作りません。

遅くても良いとはあえて言いませんが、もう少し味わってゆきたいものです。
モノとの対話が丁度良く、一体となっている時の気持ちよさを・・・

綺麗に回すのに速すぎないこと、力を入れすぎないこと、弱すぎないこと、軽すぎないこと・・・、持つ手はしっかりと支え、動かす方向はハッキリ、リズミカルに滑らかに

感覚的にそれらを掴まえてゆくことの重要性は、私が言うまでもないことだと思いますが・・・、結局のところ「くるくるおもちゃ」は感覚トレーニングになります。

だからこそ、野口先生は何度でもくるくるおもちゃ野口体操のレッスンで取り上げたのでしょう。



これは羽根を止めるピンの頭にラピスラズリを使ったもの。
くるみも、数ある鬼ぐるみから選んだ特選品。
右回り、左回りの操作がきれいに出来る逸品。
一番奥のものは下のタマも一緒に回ります。



くるくるみ転生・叩く原点に向かう




指先でぽんと叩くだけで羽根が回るくるくるみ。
穴の形はそれぞれ異なり、縁はあくまで薄くシャープに仕上げる。
羽根やビーズの重さ・順序・軸の太さや長さ、これらが全て回り具合に関わるので、現物合わせの一品物です。(本当は全てが一品物なんですけど)



これらのくるくるみは進化してついに振動の原点に戻ってしまったくるくるみです。

振動を与えるということは、刻みを擦るにしても、ギザ棒で擦るにしても小刻みに叩くことです。

これは軽く指の腹で叩くだけで回るように調整して作っています。振動が増幅され、長く持つように調整してます。
小さい子は指だけで持つのは大変なので片方の手でくるむように持ち、その手を叩くようにすると良いでしょう。

ただ、ここまでいってもやはりくるくるおもちゃの精神は生きています。いい場所をいい感じで叩かないと気持ちよく回り続けません。

気持ちよく回っているときの音は他人が聞いていても気持がいいものです。
案外、無意識に耳で(本当はそんな限定的なものだとは思いませんが)調整して巧く回している人も見受けられます。





風格のある表面は拭き漆仕上げ。
ギザ棒でうまく擦ると外と内の両方の羽根が回る。
指先で叩くと内側の羽根だけが回る。
透かした時に水晶がとても綺麗です。
さる「くるくるみ」愛好者のお宅で(多分)かわいがられていると思います。


くるくるとんぼ・くるくるみ 販売について

間違ったにせよ、ここまで読んでしまった方なら、きっとやってみたくなったに違いありません!
また、既にお持ちになっている方には少しは参考になったでしょうか。

しかし、残念ながらAKIRAは最近はあまり作るのに熱心ではありません。

くるくるみ
は世界でAKIRAしか作っていないと勿体ぶって宣言しておきながら、いくつかの理由で製造は中止状態です。
ただ、在庫はとんぼ・くるみとも少しだけあります。値段は1500円くらいから4000円くらいまで各種です。

物好きな方、あるいは教育関係・博物館関係(???)の方はお問い合わせ下さい。
在庫調査してからご連絡いたします。
場合によっては、実演授業みたいなことも可能です。

ギザ棒が削れてきたら、刻み直しもいたします。

これをコピー・複製して一儲け、なんて考えてる方がいたらオヨシナサイ。
くるみの個性に負けると思いますから。

知ってしまえば、回るものを作るのはそれほど大したことではありません。但し、美しくて良く回るものを作るのはそれなりに大変です。
また、ある程度作るようになりましたらこのページでご案内します。

本当は屋台のようなところでアヤシゲな実演販売が一番いいんですけど。ショバ代がねえ・・・


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