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 響きをてんこ盛り
  小口径・大型バックロードホーン
Size W.23 x H.99+3 x D.41+4cm  20kg/one  使用ユニット FOSTEX BC10  SPグリル付き

十年以上に亘ってメインスピーカーとして使っていた長岡式スパイラルホーンに取って代わるものを、と計画から2年以上掛けて完成したのがこのスピーカー。

「今までと違った次元の音を聴きたい」との欲求から大型バックロードホーン制作を計画し、当初は20p口径で詰めていった。

設計を何度も練り直し、ユニットは銘器と言われる今は無きコーラル(CORAL)の「BETA-8」、フォステクスの「UP180」、アルテックのPA用ユニットなどを購入した。




それまで小口径ユニットしか知らなかったので、音出ししてエンクロージャーなしである程度整った音が出てくるのには正直びっくり。大人と子供ほどにも違うように感じた。
この時期には16cmユニットの銘品、ダイヤトーンのP-610なども試す。

BETA8でいくつもりで、ほとんどの材料が揃ってからどんでん返し。その特徴的な中高域が、しばらく使っていないからか、少し違和感があったせいだ。
アルテックのPA用はうるさくて見込みが無いように思えた。

あともう一つの大きな理由は、「小口径フルレンジユニットの可能性」をもう少し掘り下げたいと思ったからだ。

故・長岡鉄男氏は有名な「スワン」を改良しながら、小口径ユニット+バックロードホーンの利点と可能性について記している。
スーパースワンの製作記事を読むと、御本人はかなり冷静にスワンの良し悪しを分析していることが分かる。
「スワン大絶賛」というイメージは、どうも亡くなった後に作られた勝手なイメージのようだ。

小口径ユニット+バックロードホーンの利点については様々なサイトに載っているのでここでは取り上げないが、「ユニットが背圧から解放されている」という点については間違いのように思える。
どうみても、小さい空気室とそれに続くバックロードによってダンピングされているのではないか。

結局、後戻りをしたくないのでBATA8もアルテックも売ってしまった。
コーラルというメーカーの魂が込めらているような素晴らしいモノだったのだが…

このユニットは不思議な縁でBETA-8の開発者の方にお里帰りをした。




突然内部の写真

ホーンはエラく長くなり実質3.5メーター位はある。

右奥の赤と黒のバッフルのスピーカーが10数年のメインSPだったスパイラルホーン。
ユニットはこの時はフォステクスFF125K

周りは作業中で大変な状態
これでは寝る場所が無い

20pバックロードの設計は随分と何回も計算してホーンの開き具合を決めたくせに、10cmに設計変更した途端いい加減になった。

空気室はSスワンとほぼ同量、スロートの断面も開き具合も長さも全ていい加減!

ほとんど開かないで開口部に向かう。そのために相当低域まで再現されるはずだったが、音出ししたらそんなことはなかった。違う箇所の影響なのだろうか?

ある程度の大きさの物は、勢いで作らないとそれこそ大変なこと(生活場所がなくなる)になることが分かっているので、変な意味で「生活を賭けて」、一生懸命作る。

バッフルは21ミリ厚で、柾目の突き板が張られた曲面ベニヤ。

ユニット穴は後で更に拡げることになった。

内部は18ミリのベニヤで、スロートの曲がり部分はすべて曲面に仕上げた。
後から考えると、21ミリ、それもフィンランドバーチのような堅い木であったほうが良く、更に一部のみに施した内部のニス塗りは全体に施す必要があったと思う。

バッフル下のホーン口の板も、是非とも裏に縦の補強が欲しかった。

低音の響き過ぎに悩ませられるとは、この時点では気付かなかった。
そのくせ重低音は期待したほど出ない

次への課題が残った。


サイドの板は結構密度があって重いニュージーランド・パインの集成材。

響きが良いことは違うスピーカー制作で分かっていたが、30mm厚あれば相当ダンピングされ適度な響きになると予想して使った。
結果、見事にハズレ。

「響く素材は量的にどんなに増しても響く」

「共振」の原理を考えれば当たり前のことなのだが…、まあ失敗は成功の基ということで。

これまた次への課題となった。

大きくて重い箱を重い色で塗ると部屋の空気まで重くなるので、今回は出来る限り明るめの素地の色を生かすことにした。

2液ウレタンのサンディングシーラーにチタン白を少し混ぜて塗り、研磨の後、やはり2液ウレタンの艶無塗装で仕上げ。

ひとまず形になってほっとする。これで寝る場所が出来た。

この時点ではユニットはFostex限定品・FE103Memorial
その後、12mm厚の人口大理石のサブバッフルを着けて、ユニットをFostex限定品・BC10に換えた。

グリルは、狭い家で、猫やらそそっかしい2本足の生き物やらが徘徊するので、絶対必需品。
パイオニアの古いスコーカーからいただく。

もう既にBC10はメーカーによるコーン補修が出来ないので大切にしたい。

以下、続く(準備中) 

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