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尽きぬ魅力は泥沼か

真空管アンプの魅力 T
イーケイジャパン エレキット TU-870 /6BM8 シングル・パワーアンプ 2W x 2


廉価な真空管アンプの先鞭をつけた、日本では有名なキット。
これは友人からの頂き物。

想い返すと、昔、ある方のお宅というか、スタジオのようなところで真空管アンプの音を聞いてこれは良いと思った時に、どうやら「管球病」の病原菌を貰ってきてしまった様だ。

6.7年の潜伏期間の後に発症。

このアンプを貰って初めて聴いた時、とにかく音の鮮度に驚いた。

透明感(注:透明感であって、透明そのものではないのがミソ)のある高域、2Wとはいえ我が家では十分な音量。低域はちょっと物足りないが、この小ささ、値段(2万円弱)、でこの音!!!
耳鼻科で耳洗浄をしてもらった後のような新鮮な音。

アンプの後姿を見ると分かるのだが、端子は全て換えてしまった。
貧弱な端子をみると無性に換えたくなるのは「端子病」も併発しているためか。
電源コードも取り外しが出来るようにしている。2チャンネルある入力も1チャンネルだけにして内部で短絡。

内部は、アップグレード用のコンデンサーが頂いた時に既に取り付けてあったほかは、端子周辺くらいしかいじっていない。
「超三結」にすると音がもっと良いよ、と言うので調べてはみたが未だ良く分からないのでこれはオアズケになっている。

市販のアンプの内部と違ってパーツの少ないこと、少ないこと・・・数えられるくらい少ない。
この少なさが音を殺さない理由の一つ。
余計な機能はパーツのグレードにも因るが、大抵音を殺してしまう。

そうは言ってもリモコンの電動ボリュームは便利だと思う。この辺に、「曲がったキュウリが売れない」理由があるのかもしれない。

今は家にあり、時々「管球王国の親善大使」としてホウボウの家に派遣され、洗脳役を仰せつかう。

ただ悲しいかな、抜群のコストパフォーマンスなのに
もし気に入ったら、もう少しいいヤツを買った方が良いよ」と一言付いてしまう。

大使止まりでなかなか大臣になれない。


以下、2003.11.20更新

少しずつ内部のパーツを変えて、コンデンサーや抵抗をかなり変えてしまった。

いわゆる設計の骨格に関わる定数に関しては、知識も経験も無いのでほぼそのままに、まずカップリングコンデンサーというツボをひとつ押えてみた。

0.022μFのコンデンサーを東一のビタミンQ含浸のオイルペーパーコンデンサーに変える。
「最近みんなこれに変わってきた」という海神無線のおじさんの言うように、質と値段からいって、カップリングの定番がASCのフィルムコンデンサーからこれに変わるのは時間の問題かもしれない。
あとは音の好みですから好き好きに・・・。
エージングもしてないのにいきなり音が良くなった。
多分このキットを良くするのに、一二を争う抜群のコストパフォーマンスだと思う。二つ合わせて600円なり。

あるHPでこのキットはトランスを持ち上げると良いらしい、ということを読みジェラコンスペーサーで4・5ミリ持ち上げてみた。
写真は後日UPの予定だが、これも良い方に変わった。
抜群のコストパフォーマンス。

そしてカーボン抵抗をデール(Dale)の金属被膜抵抗に全部換え、W数の大きいものも他の抵抗に換えてしまった。
これは全然違う。
今、セッティングがかなりいい加減で、それをかなりいい加減に聴いていてもほれぼれするくらい(いい加減に聴いているから惚れ惚れするのか・・・もしかして・・・)音が細やかになった。

「透明感」という、ちょっと「それっぽい感じ」が「透明」という本物に変わってきた。

電源ケーブルはかなり前にAETの6Nのスピーカーケーブルに変えてある。
ある程度のレベルのケーブルでACラインを確保することは、小手先の問題ではない重要なポイントだと感じる。
いくつも試すと、特に安い機器ほど音が良くなるので面白い。

私としては粗雑に扱わないのであれば、 前述のAETの6N-14AWを薦めたい。1200円/m定価(実売1000円程度)は素晴らしい。
AETおそるべし。他のケーブルメーカーに比べ、図抜けたセンスのよさを感じるメーカーだ。
ただし電源ケーブルとしての保障はAETも私も出来ません。自己責任でどうぞ。

「管球王国の親善大使」もかなりグレ度、いやグレードが上がり紳士として成熟してきたようだ。小さな国の大臣くらい任せたくなる。

2003.11.20更新 −つづく−



サンバレー SV-2 Ver.2001 / UV845 シングル・パワーアンプ 15W x 2


こちらは打って変わって845という大型の真空管を使ったシングル・パワーアンプ。

綺麗に澄んだ高音とボディーのしっかりした中低音は、キングオブ・チューブと呼ばれるだけのことはある。
この大きさは伊達ではない。でも、伊達でも嬉しい。

さすがに重さも横綱クラス。シンプルなシングルアンプなのに20kg以上ある。
トリウム・タングステンのフィラメントは電球代わりになり(?)、また電熱器にもなる(?)発熱量は冬に嬉しい。

パワーアンプなのでCDプレーヤーに直に繋がない方が良いのだが、プレーヤーのヴォリューム出力端子に繋いだら俄然音に力が出た。音量はCDプレーヤーで調整する。リモコンが使えるのがいい。

実際に沢山のアンプを聞き比べていないので相対的な評価は良く分からない。しかし演奏家の心情や精神といったものまで濃密に感じられるようになったのは確か。
柔らかな物腰なのだが、しっかりした音。

なるほど、いいオーディオは細部と構造が同時にはっきり伝わるのか。

聞き飽きないし、聴き疲れしないのはアンプだけの問題ではないが、やはり真剣に聴いて、いつまでたっても「おなかいっぱい」にならないような、なんとなく不満が沸いてくるものもいやだ。そういった不満は今のところない。

このアンプはキット品。訳ありでウチに来たので、マトモに鳴るまでが大変だった。
ガレージメーカーのサンバレーがとても良心的に対応してくれたので大助かり。
長く、いい音で聴き続けるための改造を少しずつ進めている。

少し前から、右・出力トランス周辺からのノイズがスピーカーから出るようになったので、折を見て開けて見なければならないだろう。

ちなみに、鋭い方は気づいたかもしれないが、アンプに宝珠が乗っていたり、後ろにキセルを吸う骸骨がいるのも当然、全て音質のチューニングのためのオマジナイ。

胡坐をかいてキセルを吸う骸骨の手拭いには、達筆でシャレというか、皮肉のキメの言葉。
外面は菩薩の如し 内面は般若の如し

下に敷いた屋久杉の厚板のほか、様々なマジナイを掛けているので、(多分いや絶対!)素晴らしい音なのだ!

オーディオにマジナイとオモイコミは付きもの。
マジナイのないオーディオなんて「クリープのないコーヒー」だ!


・・・・・ってことは、ない方が美味しいってことか・・・・・

以下、2003.11.20更新

以前、友人と、ある山小屋でそこに置いてあったオールドパーを「さすがオールドパー。うまいね。」と勝手にちびりちびりやっていた。
少しして、脇にあったサントリーレッド(2.7リットル・ペットボトル入り)と較べてやろうということになった。
一口飲んで「アレ!!?」。同じ味だった…。

それ以来、「レッドも悪くない」ということで落ち着いている。
昔の話である。

関連 スピーカケーブルを電源に

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